京都大学にて「学芸員有資格者のキャリアの可能性」を探る産学連携特別講義が開催される

2024年5月28日(火)京都大学の学芸員養成課程「博物館情報・メディア論」(担当教員:京都大学総合博物館 五島敏芳講師 )にて、特別講義「“常識外”の発想で創る学芸員有資格者のキャリア形成の『これから』〜デジタルアーカイブの利活用を通じて〜」 が開催され、株式会社誠勝の社長室長で上級デジタルアーキビスト資格をもつ寳德真大氏が登壇した。

講義では、学芸員有資格者をデジタルアーキビストとして育成することをテーマに、専用スキャナーを用いた実習や『「博物館」に囚われないキャリアの可能性』についてグループワークを行った。


▲講義の趣旨を説明する講師:寳德氏(上級デジタルアーキビスト)

 


▲専用スキャナ―を使ってスキャン作業を体験する様子

 

【開催背景】

本講義開催の社会的背景には、2023年4月1日の改正博物館法施行により、博物館の事業活動にデジタルアーカイブ作成・公開が加わったことがある。

文化庁第5期博物館部会などによると、博物館にはデジタルアーキビスト等の専門人材が不足している。また大学での教育機会も限られる恐れがあり、民間企業で人材育成を行う必要が喫緊の課題となっている。

一方で寳德氏は、博物館が行うデジタルアーカイブ制作・利活用関連業務が民間企業にまで広がったことにより、学芸員有資格者は「博物館以外」の就業選択をした場合も、博物館業務に携われる可能性が出てきたと話す。

こうした多様なキャリア形成が可能な状況になった社会背景から、学芸員資格の取得を目指す学生をデジタルアーキビストとして育成するきっかけとなる場とすることが、本講義の狙いだ。

今後奈良県内でさらに長期間のプログラムを実施し、デジタルアーキビスト育成を強化していく予定だという。

【参考】

奈良市HP「株式会社誠勝が京都大学にて特別講義を実施しました」
https://www.city.nara.lg.jp/site/ricchi/208654.html

奈良県主催「サマーインターンシップ・キャリア教育 in 奈良」に参画します
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000015316.html