出版代行とは?依頼するメリットや電子書籍での方法を紹介
「本を出版してみたいけどやりかたがわからない」「自費出版したけど費用がかかりすぎる……」「本を出版したいけど全然売れない。本の宣伝方法がわからない」
本記事はそんな悩みを抱えた人を対象とした内容になっています。自分の本を出版する……文章を書く人なら一度は憧れることですよね。しかし本を自分の力で出版するのはとても大変です。時には文章を書くことよりも、出版までこぎつけるほうが大変なことも多々あります。
そこで本記事でおすすめしたいのが「出版代行会社に依頼する」ことです。出版代行会社に依頼することにより、面倒な出版作業をアウトソーシングすることができます。
本記事では出版代行のメリット・デメリットを解説していきます。更にそれを踏まえて、出版代行会社を選ぶポイントに関しても説明致します。
本記事を読めば、出版代行会社に依頼する基本的な方法がすべて分かるようになっています。
目次
一般的な出版のフロー
出版代行について解説する前に、まずは出版代行会社に頼らない一般的な出版のフローに関して説明します。その方が出版代行の良さが伝わると思います。
出版の手順は人や出版会社によって多少異なるところはあるかもしれません。大雑把に出版のフローはこうだと説明しますので、まずはおおよその流れを掴んで頂けたらと思います。
自分で出版するとなると、大きく分けて2種類のやり方を皆さんは想定するでしょう。
- 自費出版(紙の本の出版の場合)
- 電子書籍出版の場合
本記事ではそれぞれのやり方を分けて説明していきます。
自費出版(紙の本の出版の場合)
自費出版の基本的な出版フローは以下の通りになります。
- 出版企画書を書く
- 編集と会議
- 会議で纏まった内容を元に本を執筆
- 本を校正
- 印刷所に見本の印刷を依頼
- 最終確認
- 印刷
- 広報作業
- 書店へ配本
自費出版といっても、なんでもかんでも自分で行なう訳ではありません。出版社の編集者と相談しつつ、本を仕上げていくのが普通です。
まずは出版企画書を書いていく必要があります。出版企画書を見せて編集にOKを貰わないと出版することができません。出版企画書はパワーポイントではなく、ワードで書くこが多いです。企画書の枚数は通常1枚か2枚で纏めることが多いです。自分が書きたいと思う本の内容を端的に纏めないといけません。
企画書が通ったら次は編集者と会議を行います。企画書を元に本のイメージや、文体など、その本の方針を固めていきます。会議では編集者から様々な質問をされることでしょう。今までとういう経験をしてきたのか、どういう本を書きたいのか、根掘り葉掘り聞かれると思われます。
本の内容が固まったら、ようやく執筆に取り掛かることができます。本が完成したら出版社に提出し、校正を依頼します。誤字脱字や文章の表現など、編集者から指摘されたことを修正し、本の内容を何度も練り直していきます。
本が仕上がったら、印刷所にまずは一冊印刷して貰います。印刷された本は内容をチェックします。レイアウトが崩れていないかなど、最終確認を行います。
最終確認が終われば、いよいよ本格的に印刷してもらいます。その段階になったところで広報作業も行います。新聞広告への掲載などを依頼してもらったりできますが、追加料金かかかります。
自費出版の場合本は印刷した本は一度自宅へ送られます。著者自らがその本を書店へ配本していく必要があります。
電子書籍の場合
続いて電子書籍の場合の出版フローを説明していきます。電子書籍の場合は、以下のような出版フローになります。
- 本の構成を考える
- 執筆
- 表紙を作成する
- ファイルを電子書籍の形式に変換
- 入稿
- 本の宣伝を行なう
電子書籍の場合は出版者に企画書を提出したりする必要はなくなります。その代わり、自分で本の構成を考え、練り込んでいかなくてはいけません。電子書籍の場合、小説やエッセイを売ることはそこまでなく、実用書がメインになります。
構成が決まったら執筆していきます。電子書籍の場合は、文字数が2万字程度でも売ることができます。より手軽に売ることができるのが、電子書籍の強みでしょう。
執筆が終わったら、次は表紙をどうするか考えなくてはいけません。表紙は自分で作る方法と、誰かに依頼する方法があります。
自分で作る場合は、画像作成ツールなどを使わないといけないため、ハードルが高い人も多いと思われます。表紙を誰かに依頼する場合は、ランサーズやクラウドワークスと言った、クラウドソーシングを使って依頼していくことが多いです。ただし誰かに依頼する場合は、表紙のイメージを正確に依頼者に伝える必要があります。
表紙も出来て本が完成したら、電子書籍の形式に変換します。電子書籍の形式は「EPUB」というものであることが多いです。wordやtxtファイルだと電子書籍にすることができません。Amazonで出版する場合でも EPUBへの変換が必要です。
本が完成し電子書籍サイトで売られるようになったら、今度はその本を宣伝する必要があります。宣伝方法は自分で編み出さないといけません。電子書籍を売る人の多くは、TwitterやFacebookと言ったSNSを使って宣伝する人が多いです。他にはブログやメルマガを活用する人もいます。
いずれにしても自分の力で宣伝しなければならず、執筆者の知名度によって本の売上が大きく左右されます。
自費出版の大変なところ
自費出版のフローを見て頂ければ分かる通り、自費出版は意外にも出版社のサポートを受けて出版を行います。しかし自費出版は文字通り自分の費用で出版を行なうので、多くの費用がかかってしまいます。だいたい数十万円から、場合によっては数百万円の費用がかかることもあります。本のプロモーションなどで費用がかさむことが多いです。
また、自費出版の場合は、印刷された本を自分で書店に売る必要があります。そのため在庫を持て余してしまい、売れてない本が自宅に陳列したままの状態になることも多いです。
更に自費出版の厄介な点として、詐欺が多いことが挙げられます。自費出版は楽して儲けられる訳ではありませんが、「簡単にお金が稼げる」なんて甘いことを言って作家を陥れる例が多くあります。
とにかく自費出版はお金がかかります。出版社のサポートを受けられるのは良いのですが、予算に余裕がある人でないと、自費出版は厳しいということが言えるでしょう。
電子書籍の大変なところ
電子書籍は、自費出版と違い費用はかかりません。表紙の作成から何から何まで全部自分で準備すれば、お金を使わずに出版することもできます。ただ電子書籍の場合、売れるかどうかという問題があります。
電子書籍を出版する場合は、宣伝を自分で行わないといけません。宣言を自分で行なうにはSNSやブログを駆使しないといけないため、これらを使いこなせない人には難しいです。
いわゆる「インフルエンサー」と呼ばれるような方だったら、その影響力を利用して本を売っていくことも可能です。しかし知名度がない人にとっては、電子書籍の販売は修羅の道と言って良いでしょう。
また電子書籍の場合、小説や漫画と言ったものはあまり売れないことも多いです。出版社を通していない創作物はクオリティーが低いと看做されることが多いためです。そのため電子書籍で売れるのは、ビジネス本や体験談に限定されることになります。しかしそれらでも、知名度のある人でない限り売れるのは容易ではありません。
また、電子書籍はEPUB化しないと出品できません。EPUB化にはある程度ITに関する知識が必要になってきます。
このように電子書籍は自費出版とは違う大変さがあります。出版するハードル自体は自費出版よりも低いし、お金はかかりませんが、面倒な作業も多い上に、本がちゃんと売れるかどうかは分かりません。
出版代行
「自費出版はお金がかかりすぎる」「かといって電子書籍だと売れない……」
そこでおすすめなのが電子書籍の出版を代行することです。出版を代行することで、電子書籍化の際の面倒な作業をすべてやってくれます。そうなれば自分は執筆作業に集中することができますよね。
もちろん代行には手数料かかかりますが、その分様々なメリットがあります。
出版代行を頼むメリット
出版代行を頼むと、以下のようなメリットがあります
- 表紙はプロのデザイナーが描いたものから選べる
- 紙・電子両方対応可能なところもある
- 文字、写真、イラスト、マンガなど様々なものを依頼できる
- 文章を公正してくれる
- 編集者が本の内容についてアドバイスしてくれる
- 複数発注で安くなる
- 商品の宣伝もしてくれるところも
電子書籍化を自分で行なうとなると、表紙絵を自分で描けない場合は誰かに依頼する必要が出てきます。
出版を代行すれば、代行会社と契約しているプロのデザイナーが表紙絵を描いてくれます。もちろん表紙は写真でも可能です。場合によっては複数のデザイナーが描いたものから好きなものを選ぶこともできます。本にとって表紙の重要性は非常に高いです。ユーザーはその本を手に取るかどうか、まずは表紙を見て考えます。知名度がまだない作家さんならなおのことですね。
また、出版代行会社にもよりますが、紙・電子両方対応可能なところもあります。もちろん紙の場合はそれなりに費用はかかるでしょうが、両方対応可能なのは有り難いですね。またこれも代行会社によるかもしれませんか、文章だけでなく、イラスト本や写真集といったものも出版可能です。
出版代行会社の編集者が、文章を校正してくれるサービスもあります。Amazonで電子書籍をよく読んでいる人なら分かるかもしれませんが、電子書籍には結構誤字脱字が散見されることがあります。誤字脱字が多いとユーザーから低評価を貰う原因になってしまい、書籍の売上にも影響してきてしまいます。なので代行会社が校正までやってくれるというのは非常に有り難いですね。
文章の校正だけでなく、大事な本の中身に関しても編集者がアドバイスしてくれることもあります。電子書籍での出版は編集者がいない分内容が独りよがりになりがちな時もあると思います。編集者がいると心強いですし、本の内容をより素晴らしいものに仕上げてくれるかもしれません。
出版代行は手数料がかかってしまうのですが、本の出版を複数同時に発注することで、安くなることもあります。本を2冊以上同時に出したい方は、1つの代行会社を活用した方が良いかもしれません。特に色々な代行会社を使うメリットもないので、代行会社はどこか1つ良質なところを選びましょう。
そして、これが出版代行を依頼する1番のメリットなのですが、本の宣伝をやってくれるところもあるのです。先程も解説した通り電子書籍は自分で宣伝を行わないといけないのですか、それを代行会社がやってくれるのです。初めて電子書籍を出版する人にとってはこれは非常にありがたいです。
代行会社の中には本のプロモーション活動に力を入れているところも多く、読者の目に触れる機会を増やしてくれます。出版代行会社を活用することで、本の売上を伸ばせるかもしれません。そうなれば手数料がかかったとしても、むしろ得をしたと言えるでしょう。
出版代行会社は、ただ単に出版作業をやってくれるだけに留まりません。リリース後、いかに商品を売っていくか、というところまでしっかりサポートしてくれます。
出版代行を頼むデメリット
出版代行会社に依頼するデメリットに関しても紹介しておきます。しかしデメリットと言っても、以下の3つぐらいでしょうか。
- 出版代行手数料がかかる
- 販売数がすぐにわからない
- 出版代行会社によってサービスの質が変わる
作業をアウトソーシングする訳ですから、どうしても費用はかかってしまいます。代行会社の中には格安で行ってくれるところもあるので、予算に応じて選んでいくことが肝心になります。また同じ会社でも、プランによって価格が変わる時もあります。プランAではプロモーションまだやって5万円、プランBではプロモーションまではやらないが4万円……という風にサービスによって価格が変わります。
また、出版代行に頼むとどうしても販売数のデータ等が代行会社の方に渡ってしまって、自分で把握しにくいのはあります。データを知りたい時は、会社に問い合わせるだけで教えてもらえますので、連絡を取ってみるのが良いのでしょう。これは大したデメリットではありません。
問題は出版代行会社によってサービスの質がかなり変わることです。出版代行会社ごとのサービス内容を把握し、良いかどうかしっかり見極めてから依頼するのが肝心です。
出版代行を選ぶポイント
出版代行会社選びは肝心です。アウトソーシングするのではあれば、できるだけ価格が安くてサービスの質が高いところを選びたいところです。
とは言え、どんな基準で出版代行会社を選べば良いのかわからない方も多いと思います。ここでは出版代行会社を選ぶポイントについて紹介していきます。
代行会社を選ぶポイントは以下の6つです。
- 表紙デザインをやってくれるかどうか
- 手数料は適切かどうか、オプション価格も見ておくこと
- 販売ノウハウがあるかどうか
- 文字数制限があるかどうか(規定文字数以上は追加料金が取られることも)
- 電子書籍配信に関する雑務作業を行ってくれるかどうか
- 編集作業を行ってくれるかどうか
以下、順に見ていきましょう。
表紙デザインをやってくれるかどうか
本の売上は表紙で5割決まると言っても過言ではありません。代行会社か表紙デザインをやってくれるかどうかは重要です。本を電子書籍で出版する人は現在増えてきており、競争が激しくなってきています。そのため魅力的な表紙を付けられるかどうかは大きな分かれ目になります。
表紙デザインの質は代行会社によりけりなので、依頼前にどんなデザイナーに表紙を依頼するのか確認してみるのが良いでしょう。
手数料
やはり手数料がいくらなのかは重要です。ただ単に基本料金がいくらなのかを見るだけでなく、追加オプションが何で、その料金はいくらなのかをしっかりと把握しておきましょう。
例えば、A業者の基本料金が3万円で、B業者の基本料金が4万円だった場合A業者を選びたくなりますよね。ですが、B業者の基本料金には校正や表紙デザインなども含まれており、A業者ではそれらがオプションであるため、実はB業者の方がお得ということもあります。
もちろん安ければ良いという訳ではありませんが、代行会社とのトラブルを防ぐためにも、手数料は必ず確認しておきましょう。
販売ノウハウ
代行会社は本の出版のみならず、本の宣伝まで行ってくれるところも多いです。しかし宣伝のやり方に関しては、代行会社によって様々です。
中には、代行会社のSNSやホームページに掲載してくれるところあります。代行会社のホームページのアクセス数が多いのであれば、ホームページに掲載してくれるのはかなりの宣伝効果になります。
という訳で代行会社のSNSやホームページはチェックしておきましょう。SNSのフォロワー数は何人か、ホームページは充実しているかなどを見ておくと良いです。
文字数制限があるかどうか(規定文字数以上は追加料金が取られることも)
文字数が何文字までなら基本料金の範囲内で収まるのか、も重要です。規定文字数以上だと、追加料金が取られることもあります(「40000文字以降は5000文字につき+1000円」、といった料金形態)。
自分が出版する本の文字数と文字数制限は、必ず確認しておきましょう。
電子書籍配信に関する雑務作業を行ってくれるかどうか
出版するにあたっては、面倒な作業がいくつかあります。Amazon kindleへの著者登録だったり、原稿のアップロードだったり、様々なものがあります。
また、出版にISBNやJANコードが必要な場合もあります。よく本の裏表紙とかに書いてある「ISBNXXX-X-XXXXXXX」という感じの数値のことですね。こういったコードを取得する際には、3万円ぐらい費用かかかります。コードの取得は代行会社がやってくれることもあり、その場合3万円の費用をカットすることができます。
編集作業を行ってくれるかどうか
最後は編集作業を行ってくれるかどうか、という点です。編集作業と言っても、誤字脱字や言い回しのチェックをするだけではありません。
- ページレイアウトの最適化
- ルビの指定
- 画像挿入
- 目次作成
- 奥付作成
こう言った作業をやってくれるかどうか確認しておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事は出版代行について解説させて頂きました。
出版代行は料金がかかるとは言えメリットが多く、特に初めて出版する人なら依頼した方が良い場合が多いです。出版作業のみならず、編集作業やリリース後のプロモーションまで行ってくれるのは心強いです。
出版してみたい方は是非とも出版代行会社に依頼をしてみてください。その際に本記事で書いた「出版代行会社を選ぶポイント」を参考にしてくださいね。
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