ペーパーレス化への7つのメリットとデメリット
ペーパーレスという言葉を、最近、よく耳にしませんか?聞いてはいるけれど、実際は「大変なのでは?」という方も多いと思います。
ペーパーレスが叫ばれている背景には、いつでもどこでも同じ資料を確認することができたり、オフィスを効率的に活用することができたりすることなどの実務的な面がクローズアップされています。近年、インターネットが高速化することにより、クラウドサービスやネットストレージなどが急速に発展してきたことなども理由として挙げられるでしょう。
さらに、スキャンしたデータを、そのままOCR(光学的文字認識)で電子データとして扱いやすくなったことも要因のひとつです。
しかしながら、実際にペーパーレスを実現しようとすると、いろいろと不都合が発生することも事実です。
ペーパーレスには具体的にどのようなメリットがあり、またデメリットがあるのか、解説していきます。
目次
ペーパーレスとは?
ペーパーレスとは「紙で保存するのではなく電子データとして保存すること」です。
ペーパーレスのパターン
ペーパーレスには大きく分けて2つのパターンがあります。
- これまで資料として紙で保存していたものを電子データ化する
- これから作成する資料を電子データ化する
これから作成する資料は、ルールを決めてクラウドなどで共有・保存していけば、ペーパーレスを実現することができるでしょう。
問題は、これまで溜めてきた資料の電子データ化です。ここでは、とくに紙のみでしか残っていないデータについて、みていきましょう。
ペーパーレス化の難しさ
会社や官公庁などでは、紙でしか残っていないデータは多く存在します。また、個人が作成したデータを担当者が変わるときに紙と合わせて引き継いでいることも、よくあることです。そのため、いざ電子化にとりかかろうとすると、どこから手を付けていいのかわからないといった声をよく聞きます。
実際に、膨大な資料が時系列や得意先別で目の前に立ちはだかり、うんざりしてしまうという声が多いのも事実です。紙の資料がしっかりファイリングされていればまだいい方で、個人がストックしていた場合には、資料の存在さえ確認できません。そのままスキャンでも、以前株式会社ゲームフリーク様の企画資料を電子化させていただいたことがありますが、こちらでも電子化すべき昔の資料が『整理されないままだった』というご担当者様のお言葉がありました。
また、資料が紙だけしか残っていないものも多く存在しています。例えば、周年誌やパンフレット、社内報、官公庁なら白書や統計資料などがあたります。ペーパーレスが叫ばれているにもかかわらず、一向に進まないで話題ばかりが先行している理由です。
ペーパーレス化に向けて
ペーパーレス化していくために、確認しなければいけないこともあります。
- どのような資料があるのか
- 紙で保存する必要がないのか
- 電子化をできる資料なのか
特に、電子化をできる資料なのかという判断は重要です。例えば、分厚い資料の場合、電子化できるキャパシティがあるかを考えなければなりません。担当者を決めてやるにしても、1冊や2冊なら、何とかスキャンニングすることができます。しかし、膨大な資料となると同じようにはいきません。ドキュメントスキャナーが進化していても、ページ数が多ければ、当然、多くの時間を割かなければいけないのです。
また万が一、スキャンニングを失敗してしまった場合、取り返しのつかないこともありえます。紙でしか保存されていない貴重な資料であれば、細心の注意を払う必要があるからです。そのために、電子化を代行する専門のサービスを利用するケースが広がっています。
ペーパーレス化をワンストップで実現
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- 製本契約書も裁断せずスキャン
- 出張スキャンも対応
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ペーパーレスのメリット
これまでの事例をふまえて、実際にペーパーレス化するメリットをまとめてみましょう。
- いつでもどこでも資料を確認できる
- 複数の人で資料を共有できる
- スペースを有効活用できる
- 検索のスピードを向上できる
- 紙が劣化した場合に対処できる
- 用紙代やプリント代を節約できる
- セキュリティを強化できる
1.いつでもどこでも資料を確認できる
まず、1番目の「いつでもどこでも資料を共有できる」から順にみていきましょう。先ほども触れたように、クラウドサービスやネットストレージが急速に進化したことで、多くの容量を必要とする資料でも1か所に集約することができます。
さらに外出先からモバイル端末を通じて、閲覧することも可能になっています。これまでだったら、一度オフィスに戻らなければいけなかったものが、出張先でも見ることができるのです。
2.複数の人で資料を共有できる
複数の人で資料を共有できることも大きなメリットです。これまで、個人のパソコンに保存していたデータをクラウドなどにアップロードすることにより、複数の人でファイルを編集することが可能になったからです。たとえば、企画書を作成するときに分担が決めてあるとしても、同じ一つのファイルで運用することができるのです。
3.スペースを有効活用できる
個人に配布されたり作成したりした書類が多ければ多いほど、整理することが難しくなります。例え、ファイリングをして整理整頓していても、一定のスペースを占有することになります。さらに、会社などの規模で考えると、保存が義務付けられている書類もあるため、膨大な量の資料となるので、ペーパーレス化することが大きなメリットとなるのです。
4.検索のスピードを向上できる
OCRソフトの進歩により、スキャンしたデータにある文字をテキスト(文字)として扱うことができるようになってきています。しかし、100%ではないので完璧を目指すなら人力に頼ることになります。電子化を代行するサービスでは、100%に限りなく近い精度でテキスト化できる利便性があります。
5.紙が劣化した場合に対処できる
紙は湿度などの環境によって経年劣化していきます。特に古い資料では、紙の質が現在ほど優れていないので、貴重な資料ほど早く手を打つ必要があります。ここでも、ただスキャンするだけでなく、画像などを補正しなければなりません。OCRと同様に、ただスキャンするだけでは資料としての価値が損なわれることがあるのです。
6.用紙代やプリント代を節約できる
最初から資料をクラウドにアップロードすれば、用紙代の節約になります。最近では、プレゼンの際にプロジェクターやタブレットを活用する機会が増えてきている理由のひとつでしょう。また、会社などのプリンターはリースのことが多いので、ページ単位でプリント代を節約でできることもメリットのひとつです。
7.セキュリティを強化できる
情報を一括管理することは、セキュリティ面でも有効です。不測の事態のときに、インターネットから遮断できたり、個人が情報を持ち出しすることを防ぐことができるからです。
以上のように、電子化をするメリットを見てきました。しかしながら、デメリットが存在することも事実です。次からは、デメリットを見ていきましょう。
ペーパーレスのデメリット
代表的なデメリットは以下の7つです。
- ディスプレイによっては資料を見にくい
- 重要な書類はデータ化できない
- システムやインターネットなどに影響されやすい
- メモなどを取りにくい
- メンテナンスしにくい
- フォーマットを統一しにくい
- 資料が整理されていない
1.ディスプレイによっては資料を見にくい
会社などで個人に支給されるパソコンは、ノート型のケースがあります。特に、いつでもどこでも確認できるメリットを享受する外回りが多い人などは典型です。
しかし、資料によっては外出先での閲覧が見にくくなってしまう可能性もあります。やはり紙と比べると見やすさの点で劣ることは否めず、資料の第一の目的を果たしにくいのです。
2.重要な書類はデータ化できない
電子文書法という法律をご存じでしょうか。最近では、データで保存することが認められる書類も多くなってきましたが、まだまだ、紙で保存することが義務付けられている書類もあります。そのため、すべてのデータを電子化することはできず、結局、一定のスペースが必要となってしまうのです。
3.システムやインターネットなどに影響されやすい
ペーパーレス化が進展しても、システムがダウンしたり、インターネットに接続できない事態を回避することはできません。そのようなときでも対処できるのは、結局、実物が存在する紙となってしまうのです。
4.メモなどを取りにくい
急にアイディアが浮かんだとき、メモを取りやすいのは紙です。紙に書いたものも、資料として価値が認められます。パソコンやモバイルで、EVERNOTEやOneNoteなどが普及しても、ソフトやアプリを起動するために時間がかかってしまいます。また、文字の変換などで、すぐに書けないという事態も発生してしまうのです。
5.メンテナンスしにくい
紙であればファイリングをしっかりしておけば、実物が存在するので問題ありません。しかし、ペーパーレス化すると実物は存在しなくなります。やみくもに電子データを保存すると、どこに必要なファイルが存在するのか、わからなくなってしまいます。
6.フォーマットを統一しにくい
総論ではペーパーレス化に反対する人はいなくても、個々の業務において会社や官公庁などでは、フォーマットを変える必要が出てくるため、各論ではペーパーレス化に異論が出てくるケースも多いのではないでしょうか。結局、組織の慣習が優先されてしまい、各部署間で異なるペーパーレス化が行われる可能性があるのです。
7.資料が整理されていない
そもそも、資料がしっかり整理されていれば問題ありませんが、必ずしもそうとは限りません。その場合、担当者を決めて整理することになるので、時間と人件費が発生します。人手不足と言われるなかで、イントラネットなどを管理するスキルを持ち、整理していくことは難しいという現状があります。
まとめ
社会的にペーパーレス化の方向に進みつつあることは事実ですが、紙で実物を保存しておく方が便利な場合があることもあります。また、分厚い冊子などの資料は現物を裁断しなければなりません。スキャンに失敗したら、取り返しのつかないことになる可能性もあります。そうした貴重な資料をスキャンしたい場合は、無理に社内で実施せず代行サービスを利用することをお勧めします。
これまで見てきたメリットとデメリットを考えると、全体的な方向性としてはペーパーレス化して電子データにする方がよくても、ケースバイケースで進行していくべきでしょう。