紙の本と電子書籍のメリット・デメリットを解説
「電子書籍に手を出してみたいけど、電子書籍って実際の所どうなの、読みやすいの?」本記事はこんな疑問を持った方が対象となります。
みなさんは本を購入したり読んだりする際、電子書籍を選びますか? それとも紙の本でしょうか。
最近では電子書籍が注目を集めてきています。そんな中でも、紙の本が好きで、使い続けている読書好きは大勢います。そのため「電子書籍って本当は駄目なのでは?」と、思うかもしれません。。
しかし、勝手な思い込みで電子書籍を敬遠するのは、非常に勿体ないことです。電子書籍には便利な点が数多く存在します。もちろん紙の本にも良い点はありますし、紙に拘り続ける人がいてもおかしくありません。それぞれの良い点と悪い点を把握した上で、使い分けることが肝心です。
本記事では電子書籍が現状どれぐらい普及しているのか、更には電子書籍、紙の本、それぞれのメリット・デメリットについて話していきます。
本記事を読むことで、それぞれの良し悪しが分かるようになるでしょう。書籍を読むなら自分は紙と電子版どちらが良いのかも判明するかも知れません。
目次
電子書籍について
まずは電子書籍についてお話していきます。
電子書籍は現在普及が進みつつあります。果たして今後はどうなっていくのか、その点にも触れていきましょう。
電子書籍の現在の状況
電子書籍の市場規模は、電子雑誌も合わせ年間2500億円となっております。これは2017年時点ですので、現在はもっと増えていると推測されます。市場規模は年々堅実な成長を見せており、徐々に一般ユーザーにも電子書籍が広まっていることが分かります。
ただし、コンテンツとしてはコミックが市場の8割を閉めています。ビジネス本や小説に関しては、まだまだ増えてはいないということが言えるでしょう。各電子書籍サイトを覗いてみると、コミックを全面に売り出している所が多く、定期的にセールを行ったりしています。しかしビジネス本などの「文字」を主体としたコンテンツに関しては、あまり売り出していません。これがコミックが8割を締めていることの理由でしょう。しかし今後は、文字ものも割合も増えていくと推測されます。
電子書籍のデバイスに関しても、年々進化を遂げてきています。デバイスには以下の機能が追加されるようになってきました。
- 文字を拡大
- しおり
- 検索機能
- 明かり調整
- マーカーを引く
このような機能を追加していくことにより、従来電子書籍の弱点であった部分が改善されつつあります。
また電子書籍は各サイトで、読み放題サービスをやっているのも特徴的です。読み放題サービスとは定額いくらかを支払うことによって、その月は特定の書籍が読み放題になるというサービスです。読書家にとっては非常にお得なサービスであり、人気が高まっております。
他にも電子書籍は「割引キャンペーン」や「ポイント還元キャンペーン」と言ったキャンペーンをやりやすく、紙の本よりもお得に購入できることが多くあります。
電子書籍のメリット
電子書籍には大きく分けて下記のようなメリットがあります。
- 紙の本より低価格
- 本棚がいらなくなる(持ち運びが楽)
- 自宅で購入可能
- 検索機能など、ビューアーの便利機能が使える
メリットについて1つずつ解説していきましょう。
紙の本より低価格
電子書籍は紙の本より低価格なことが多いです。これは、電子書籍は制作コストが紙の本よりも削減できるためです。電子書籍は普段から低価格なことに加え、キャンペーンなどの対象になっていることもあり、更に安く購入できることがあります。
更には完全に無料で読めるコンテンツも増えています。comicoやLINE漫画と言った漫画アプリサービスでは、1日に一定話数なら漫画を無料で読むことができ、若年層に人気があります。
本棚がいらなくなる
電子書籍は実物の本が存在しないため、本棚がいらないというメリットもあります。また、端末さえあればどこでも読むことができるため、本を持ち運ぶ手間もなくなります。こういった利便性に優れているのは、電子書籍の方と言えるでしょう。
自宅で購入可能
更には購入も各電子書籍サイトで行なうため、自宅で完結させることができます。クレジットカードの番号を登録しておけば、ボタン1つで購入することも可能です。クレジットカードがない場合でも、電子マネーやスマホ決済を使えば購入できることがあります。
ビューアーの便利機能が使える
ここ最近の電子書籍に関しては、検索機能など便利な機能が追加されています。
webの文章から特定の単語を探したい場合は、「ctrl+F」を押して検索窓を出して検索する方が多いでしょう。それと同じように、電子書籍から特定の単語を探すことができるのです。これは小説などの娯楽本よりも、仕事で使う資料の電子版でより役に立ちます。
電子書籍のデメリット
電子書籍には下記のようなデメリット存在します。
- 電子書籍化されていない本もある
- 紙の書籍より販売が遅い
- 「読んでいる」という感覚が持てない人も多い
- 目が疲労する
- マーカーが引けない
デメリットについて1つずつ解説していきましょう。
電子書籍化されていない本もある
まず、全ての本が電子書籍化されているという訳ではありません。電子化されているものは評価の高いもの、ユーザーからのリクエストが多かったものなどだけです。出版社によっては電子書籍化に対して積極的ではない場合もあります。
紙の書籍より販売が遅い
また電子書籍は紙の本よりも販売が遅いことが多いです。おおよそ1週間から2週間遅れることがあり、場合によっては1ヶ月遅れることもあります。
なぜ販売が遅いのかというと、電子書籍化させるのに時間がかかっているのがまず1つあります。電子書籍化させるには、出版社と電子書籍サイトの間で契約を結ばねばなりません。その際「料率」と言って、本の売上の何割を電子書籍サイトの方に売上として入るようにするか、を決定する必要もあります。この料率を決めるのに時間がかかることもあります。販売を遅らせることによって、電子書籍ユーザーにも紙の本を購入させようとしているのでは? という意見もありますが、根拠はありません。
「読んでいる」という感覚が持てない
電子書籍の場合は、読んでいるという感覚が持てない人も多く存在します。実物の本を持ち、本を匂いや紙質を確かめながら読むのが好きという方も多いです。
目が疲労する
また、電子書籍はスマホの小さい画面で読むため、目が疲れる場合もあります。電子書籍の読みすぎで視力が低下したというケースも。
マーカーが引けない
電子書籍はマーカーが引けないなどという問題もあります。ビジネス本の場合、重要な部分に線を引いてインプットしやすくしている方も多いでしょう。ただ最近は、マーカーを引けるようになったビューアーも存在します。その他電子書籍ではできないこと(しおりを挟む、折り目を付ける等)はありましたが、デバイスの進化によって改善されてきています。
紙の書籍について
電子書籍に対して、紙の書籍は現在どのようになっているのか、解説していきます。紙の書籍にも良い点は数多くあり、決して電子書籍に劣るという訳ではありません。ただし電子書籍の進化に伴って、今後紙の書籍の売上は厳しくなってくると思われます。
紙の書籍の現在の状況
紙の書籍は、現在市場が縮小しつつあります。書店の経営状況を見ると一目瞭然であり、売上は徐々に下がってきています。特に漫画本に関しては、2017年に始めて電子書籍の売上が、紙の書籍を抜きました。
今後もこの傾向が大きく変わることはないと推測されています。紙の書籍を使い続けている人はいるものの、全体的には売上は下降傾向にあります。
紙の書籍のメリット
紙の書籍には大きく分けて下記のようなメリットがあります。
- 「読んでいる」という感覚が得られやすい
- インテリアとしても利用できる
- 読み終えた後は売ることもできる
- デバイス不要
- 印や折り目等をつけるのが自由
メリットについて1つずつ解説していきましょう。
「読んでいる」という感覚が得られやすい
紙の書籍は何よりも、「読んでいる」という感覚が得られやすいです。実際に本を手にとって1ページずつめくっているので、読み終えた後に満足感があるという人もいます。この「読んでいる」という感覚の有無は大きく、電子書籍の利便性を理解した上で、紙の書籍を選択している人は多くいます。
インテリアとしても利用できる
紙の書籍は読み終えた後飾ったりできるため、インテリアとして利用することもできます。紙の書籍には表紙をこだわっているものも多く、見て楽しむということができます。
読み終えた後は売ることもできる
紙の書籍は、読み終えた後は古本屋などに売ることも可能です。友達に上げたり貸したりすることもできるし、電子書籍よりもこのあたりは優れています。
デバイス不要
紙の書籍はデバイスなども不要なため、スマホやパソコンを持っていない人でも楽しむことができます。スマホを持っている人でも、充電が切れてしまったりすると電子書籍を楽しむことはできません。また電子書籍はオフライン環境では読めない場合もあり、wifiが繋がっていない環境では紙の本が重宝する場合もあります。
印や折り目等をつけるのが自由
更には紙の書籍は、マーカーを引いたり、折り目を付けたり、しおりを挟んだり自由に行なうことができます。電子書籍でもマーカーを引いたりできるものはありますが、紙の書籍はそれらをより自由にできます。例えば電子書籍でもしおりを挟める機能が付いていますが、紙の書籍のように2つ以上挟むことはできません。
紙の書籍のデメリット
紙の書籍には大きく分けて下記のようなデメリットがあります。
- 汚れ、紛失の恐れがある
- 保存するのに場所を取る、持ち運びも大変
- 本を読むとき、ずっとページを開いていないといけない
- 購入して手元に届くのに時間がかかる
- 検索機能が使えない
デメリットについて1つずつ解説していきましょう。
汚れ、紛失の恐れがある
紙の書籍は、性質上どうしても汚れたり紛失したりする恐れがあります。大事に保管したとしても、年月が経つにつれて劣化していくのはどうしようもありません。劣化すると古本屋に売ることもしにくくなってしまうでしょう。
なお、本の劣化を防ぐ方法はこちらの記事にて詳しく解説しています。
保存するのに場所を取る、持ち運びも大変
紙の書籍最大のデメリットは、やはり保管に場所を取ったり、持ち運びに大変だったりすることでしょう。電子書籍と比べて、こういった利便性に関しては明らかに劣っています。特に本棚が紙の書籍で一杯になっている人は、電子書籍にも手を出した方が良いかもしれません。
本を読むとき、ずっとページを開いていないといけない
また意外と見落としがちなデメリットとして、紙の書籍はずっとページを開いていないといけないというのがあります。よく紙の本を読んでいる最中、うっかり手を離してしまい本が閉じてしまった、元のページを開こうにもどこか分からない、ということがあるのではないでしょうか?こういったことは、電子書籍を使用することで防ぐことができます。
購入して手元に届くのに時間がかかる
紙の書籍は書店で購入することが多く、書店に行くまでの時間がかかってしまいます。いざ書店まで向かっても、そこに本がない場合もあり、お目当ての本を探すのが大変です。紙の書籍をネットショッピングで購入することもできますが、その場合、購入してから手元に届くのに最短でも1日はかかります。
電子書籍ですと、購入してからすぐにダウンロードして読むことができます。
検索機能が使えない
また紙の書籍は検索機能が使えないため、知りたい情報を探すのに時間がかかってしまうこともあります。社内データなどは、電子化されていた方が、利便性が増すでしょう。
ビジネスの現場なら『電子版』
ここまで電子書籍、紙の書籍、それぞれのメリット・デメリットについて解説させて頂きました。漫画や小説といった娯楽本に関しては、紙の書籍の方が優れている面も多々あります。ただし、ビジネスの現場に関して言えば、圧倒的に電子版の方が優れています。
その理由はついて今から述べていきます。
いつでもどこでも書類を閲覧できる
電子版なら、いつでもどこでも書類を閲覧できます。社内会議で資料を参照したい場合、一々印刷しなくても、デバイスがあれば閲覧することが可能です。また、オフィス外からもデータを見ることができます。
オフィス外に紙のデータを持ち込むと、情報漏洩の危険性がありますが、電子版ならこういった心配はありません。
データの検索が簡単
電子書籍のメリットの方でも言いましたが、電子版はデータを検索することができます。ビジネスの場においては、社内情報をすぐに参照できるという点は重要です。
更に電子版であれば、プログラムに読み込ませることによってデータをソートしたり、分かりやすくなるよう数字の単位を変更したりも可能です。またOCR処理を行なうことによって、画像に書かれた文字を読み込んで、検索することも可能です。
このように電子版はデータをより早く扱うことができるため、ビジネスの場では優れています。ただしOCR処理を行ったり、プログラムにデータを読み込ませるのは、少しITや電子化のスキルが必要になってきます。これらの自社で行なうことは難しいため、電子化は専門業者にアウトソーシングするのがおすすめです。
セキュリティー対策ができる
電子化されたデータは、コピーすることが容易です。このため、セキュリティー的にリスクがあるのでは?と思う方もいるかもしれません。
しかし、電子化された書類にはパスワードをかけることもできます。パスワードを知っている人しか閲覧できないようにすることで、セキュリティー対策になります。
パスワードの共有は社内全員にしても良いし、担当部署のみなど特定の人だけにしても良いです。データの重要性によって、柔軟に対応することができます。
まとめ
いかがだったでしょうか。本記事では、電子書籍と紙の書籍のメリット・デメリットについて解説しました。
以下に紙と電子版のメリット・デメリットを表にしましたので、参考にして下さい。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
電子書籍 |
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紙の書籍 |
|
|
電子版は紙の書籍に比べ、購入・閲覧・保管時の利便性が優れています。このため今後は、電子版の方が主流となっていくことが推測されます。
その一方で、紙の書籍の方が読書を「楽しむ」ことができるという理由で、紙の書籍を使い続ける人はいます。紙の書籍の方が「読んでいる」という感覚があり、インテリアとしても活用できる。このあたりのメリットがある限り、紙の書籍が完全になくなるということはないでしょう。
またビジネスの場においては、「楽しむ」ことよりも「利便性」が何より重要なため、電子版の方が良いということになります。社内データの電子化を進めていくことで、仕事の効率が上がることは間違いないでしょう。
もし企業の方で社内データの保管・共有方法に悩んでいる方がいましたら、電子化を検討してみてはいかがでしょうか?
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