電子化にも種類がある?代行業者の得意・不得意分野

2019.01.29

そのままスキャンが得意なのは『貴重資料を傷めずに電子化すること』ですが、一方で出来ないこともないけど得意じゃない分野のスキャニングもあります。一口に電子化代行と言っても色々ある訳で、ご自身の電子化の課題に合わせて賢く業者を選ぶのが一番ではあるものの、『電子化は何でもお任せください!』って色んな所で書かれていれば、そりゃ値段やHPの印象が第一の判断材料になっちゃいますよね。

本来電子化は資料や用途によって全く方法が違ってくるのに、これは非常にもったいないと思います。また、出来ない事をハッキリさせずあたかも得意であるかのように見せる業者側も問題です。

そのままスキャンは、その点かなりハッキリさせているつもりです。でも苦手分野って今まで書いたことが無かったなと気付いたのです。今回は、一見全部同じに見える『資料の電子化』の種類について解説しつつ、そのままスキャンが苦手な電子化を、あえて書き出してみようと思います。

書籍の電子化にお悩みの方、是非業者を選ぶ参考にしてくださいね。

破壊スキャン・非破壊スキャン

スキャニング分野のマトリックス

そもそも電子化にはどんな種類があるのでしょうか?

このマトリクスは弊社の契約書電子化サービス、契約書そのままスキャンHPにて掲載しているものです(※2020年3月現在、ページリニューアルにつき削除しています)。象限を『資料の種類』『製本かバラか』で分けたものですが、そのままスキャンが得意なのは先ほど述べたように貴重書の非破壊スキャニング。ここでいう右側です。

非破壊スキャンというのは、本を裁断しないまま電子化することを指します。使用するスキャナーは『契約書そのままスキャン』の下に写っているフラットベッドスキャナーのように、アクリル板を備えたものが代表的。このアクリルに書籍の表面を載せることで、本を傷付けずにそのまま電子化することが出来ます。

ブックエッジでのスキャニング

▲例えばこんな風に電子化します。

『貴重書』というと希少性の高い、歴史的な資料や絶版した書籍なんかが浮かぶかもしれませんが、それは上記でいう所の第一象限。その下第四象限で挙げられている割印された契約書なんかも、二つと作成出来ず破壊も出来ないので弊社では貴重書として扱っています。平たく言えば緑の領域、非破壊スキャニングに関わることだったら得意なんですよということです。その為弊社へご依頼いただく方も、そうした様々な貴重資料をお持ちの法人様が殆どだったりします。

アートスキャナー

▲そのままスキャンで使用するアートスキャナーも非破壊スキャナーの一つ。

で、今回のテーマである苦手分野ですが、マトリクスの左側、バラの資料をスキャニング(若しくは資料を裁断してスキャニング)することにあります。『資料スキャニング業者』(第三象限)に白い機械が映っていますね。これはADF(自動給紙装置)と呼ばれるタイプのスキャナーで、書類を高速で電子化することの出来る破壊スキャナーの一つです(因みに、コンシューマー向けの自炊スキャナーとは比べ物にならない性能と値段です笑)。弊社ではこの破壊スキャナーを使用してはいるものの、全体としては非破壊スキャナーの方が数も多く、種類も豊富です。業界で一番持ってるかも知れません。

その上の『書籍の裁断スキャニング業者』と合わせ、総じて破壊スキャニングと呼ばれます。文字通り書籍の背表紙を裁断機で破壊し、バラの状態で一ページずつ自動スキャニングする方法です。実は世間で圧倒的に多いのはこの破壊スキャニング。いわゆる自炊代行と呼ばれる業者は左側に分類されます。マンガとか文庫本とかを数十冊纏めて電子化してくれるサービスですね。お世話になった方も多いのではないでしょうか。

この破壊スキャニングの強みは、何と言ってもスピードです。上に写っている破壊スキャナーは一時間に何と6,000ページも電子化することが出来ます。左側に分類される破壊スキャニング業者(自炊代行)は、こうしたADFを多数所持することで、一回の発注で数十冊という量をあっという間に電子化、しかも一冊当たりの単価を驚きの安さで提供することが可能となる訳です。ただし基本的に裁断後の再製本はしてくれないので、一度依頼をしたら原本書籍は破棄することになります。

非破壊スキャンが高い理由

何故高いのか?

この安さ、に関してそのままスキャンは自炊代行業者に中々勝てません。先ほど言ったようにスピードが違いますし、ページをセットしたら自動で電子化してくれるため、一ページずつ手作業で電子化する非破壊スキャニングのように人手もかからなくなります。また、上に写真が載っているアートスキャナーのように非破壊スキャナーは巨大です。それだけ場所を取ってしまいます。更に言えば『手動スキャニング』なので、スタッフ側にも一定のスキルやノウハウが求められます。要するに非常に手間暇かけて電子化する為に、料金も少々お高くなってしまうんですね

その為、非破壊スキャニングを得意とし法人様の資料を電子化しているそのままスキャンでは、最低料金を5万円(2020年10月現在)としています。お家の漫画や小説を電子化したいと考えられる個人の方にはちょっと高すぎる設定ですが、むしろ貴重書を傷付けず、高品質で保存したいという方にはお安いとまで言われることすらあります。得意分野の棲み分けに拘った設定です。

一方で大量書籍の破壊スキャニングを検討するなら、弊社はハッキリ言って向いていません。もっと安い業者さんも知っていますし、納品スピードも破壊スキャニングに限って言えば自信がありません。

『何が得意か?』を見極めよう

最適な業者を選びましょう

以上簡単ですが電子化の種類について説明してみました。資料によっては貴重だから裁断しないで電子化、が大正解かも知れませんが、予算や納期、資料の重要度等を考えたら破壊スキャニングの方が適切な場合も多々あると思います。

『ウチはこれが出来ません!』なんてしっかり書いているホームページは少ないものの、だからと言って単純に値段や納期で決めてしまうのは、書籍にとっての不幸にもなり得ます。ご自身の資料と電子化の目的をしっかり理解した上で電子化代行をお決めになるのが良いでしょう。

貴重書籍を傷つけずに電子化するサービス

  1. 専用の非破壊スキャナーで傷つけずにスキャニング
  2. 書籍ほか図面、絵画、契約書、ガラス乾板まで対応可能
  3. 公共機関や大学様の実績多数
  4. スピーディな作業で急ぎの電子化もOK

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