裁断して電子化 そのままスキャン
おかげさまでそのままスキャンは『貴重な書籍を裁断しないで電子化する』という分野において非常に信頼をいただいております。
裁断しない、破壊しないでスキャニングするというのは貴重書をお持ちの方にとって大変重要です。裁断しないということは、実は単に背表紙を切り落とさないというメリットに留まらず、後述の理由から電子化の段階で傷をつけないこととニアリーイコールだったりするのです。つまり『破壊しない=本を丁寧に扱う』ということ。だからこそ重要文化財や数十年前に作成された社内資料といった大事な資料を預けていただけるのだと考えています。
それはそれで良いとして、一方で無視できないのがコスト面。非破壊スキャニングは丁寧に電子化させていただく半面、スキャナーの特性や所要時間の為に破壊スキャンよりも若干お値段が張ります(弊社に限りません)。そしてそのままスキャンでは、いかんせん『裁断しません!壊しません!』と声高に書いていることもあり、破壊スキャニングについてはHP内で一切触れてこなかったのです。料金ページにも記載はありません。
しかし、実は破壊スキャニングもやってるんです(えー…)
破壊スキャニングの方法とは
私たちはデジタルアーカイブ構築を担っているので、法に反しない限りはアーカイブ化に関するあらゆるスキャニングを実施します。当然破壊スキャニングも対象の一つ。
非破壊スキャンのアピールはしているものの、実際にお客様からヒヤリングすると裁断してもいい、むしろ費用感を考えたら裁断して欲しいとのご要望も受けることがあります。そんな時、そのままスキャンでは破壊スキャニングも実施しているのです!
何故破壊スキャニングの方が安いのか
さて先述した通り、破壊スキャニングは非破壊よりもお値段がお得です。裁断するということは、電子化の前段階として裁断機を用いた破壊作業が発生するので、一工程増える形です(本記事の冒頭にある写真参照)。すると料金も上がるんじゃ?と普通のサービスなら考えられそうですが、電子化代行においてはちょっと違います。
それは使用するスキャナーに理由が。
破壊スキャニングで使用するスキャナーは、弊社の場合ADFと呼ばれる高速スキャニングを可能とするもの。一般的なオフィスにあるプリンターの手差し印刷をイメージしていただければ近いかもしれませんが、とにかくスキャンのスピードが早いんです。たとえ裁断作業が入ったとしてもあまり問題にならないレベル。
要するに一度紙束をスキャナーに差し込めば、後は一気に自動でバババーっと読み込んでくれるから時間が全く掛からないんですね。因みに上の写真は弊社で使用していたスキャナーですが、一時間に約6,000ページという速度でスキャニングすることが出来ます!はやい!
一方の非破壊スキャニングですが、当ブログでも度々紹介させていただいているようにフラッドヘッド型やオーバーヘッド型といったタイプのスキャナーを利用します。これは自動で高速という訳にはいかず、一ページずつスタッフがめくりながら撮影しなければなりません。だからこそ貴重本や痛みのある書籍まで電子化出来るんですが、人の手が入る分時間はどうしてもかかり、結果破壊スキャニングよりも費用がかかるということになってしまいます。
どうして破壊スキャニングの方が安価なのかご理解いただけたでしょうか。因みに数年前からそのままスキャンがお手伝いしている株式会社Jコミックテラス様では、元々裁断してある漫画を非破壊スキャナーで電子化したりと、書籍とスキャナーの組み合わせはケーズバイケースになります。破壊スキャニングと非破壊スキャニング、更にどのスキャナーを使用すれば良いのかといった組み合わせは慎重に考える必要がありますね。
追記:破壊スキャニングの料金を公開!
すべて非破壊でスキャニングして欲しいというお客様もいらっしゃれば、一部非破壊、一部破壊でという方もこれまでいらっしゃいました。原本が複数冊子ある場合は破壊スキャニングで、手元に1冊しか無ければ非破壊で、という感じですね。
そういったお声をいただくので、思い切って破壊スキャニングも含めたサービスのサイトを新たに公開しました。その名も『契約書そのままスキャン』。
私達は非破壊スキャニングへ永らく拘りを持っていたため、今回のサービスでもメインは製本された契約書を対象としています。が、同時に一枚物の帳票を安価で電子化したいというご依頼、これまで表立って受けてはこなかったものの、『デジタルアーカイブのスペシャリスト』としてそういう訳にもいかないだろうということで、この度正式にリリースしました。もちろん破壊スキャニングの料金を明記しています。
非破壊スキャニングよりも安価、解像度も200dpiから選べるようになっています。ADFや製本契約書の種類の紹介もしていますので是非ご覧ください。