【年金機構】書類の電子化後、原本廃棄へ
また電子化に関するニュースの記事で恐縮ですが、先日のデジタル教科書に続いて国の重要な取り組みを耳にしたのでご紹介。
データ化への信頼性は?
日本年金機構が一部の書類を電子化した後、原本を破棄する指針を示しました。廃棄の理由としては書類の保管コストがかさんできたためだとのこと。
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日本年金機構といえば、10年以上前に記録の誤りや不備の多さが大問題になったこと、最近でも受給年齢について改定されたりと常に注目の的になってきた機関です。いわゆる『消えた年金』問題はデータ上の年金記録や過去に記録されていたもののデータ化に重大な欠格があったためですが、再びデータ化して原本は破棄、ということは再発防止策をきっちり講じているのでしょうね。
先日紹介した教育機関におけるデジタル教科書の導入同様、公的機関や古くから存在する団体ではなかなか速やかな電子化は難しいものです。現在はとにかく効率化、ペーパーレス賛美の時代ですが、新しい方法がいかにコスパ最高で効率的だとしても導入コストが高くつくと中々踏み切れない、そういったお声は各方面から聞きます。
今回の年金機構の施策も全てを電子化⇒廃棄する訳ではなく、やはりコスト面で様子を見ながら徐々に拡大していくつもりのようですね。完全なペーパーレスにはまだ時間がかかりそうです。
電子化の驚くべきコスパ
一方記事の最後に紹介されているデータ、これは正に電子化のコストパフォーマンスを訴えたいスキャン代行としてはぜひ取り上げたい数値です。2年前の時点で電子化の結果10億円もの保管コストを削減出来たということで、いかにペーパーレスがお財布(と地球)に優しいか如実に表れております。口で電子化最高とお題目のように唱えるよりは、こうやって具体性を持った証拠があった方が皆さんご納得いただけるんじゃないでしょうか。
『原本なんか破棄して、もしデータが吹っ飛んだらどうすんだ!』という懸念はごもっとも。デジタルアーカイブは安全なんですよ、という一般認識を広めていくことは、そのままスキャンに限らず電子化に携わるすべての者が考える必要のある目標です。特に公官庁の費用削減は、私たちの大嫌いな税金の無駄遣い防止になるものの、かといってセキュリティ面などが甘ければ国民は納得しません。このある意味ジレンマになっている状況を打破するのも私たちの使命だと感じています。
審議会では原本破棄の是非について意見があったようですが、いつかこういった重要な個人情報を扱う公官庁でも、全くの心配なしにペーパーレスへ舵を切れるような時代になるといいですね。