そのままスキャンの働き方改革(前編:定時退勤)
先日の記事 社内刊行物の電子化で社員の団結をにて働き方改革とその問題点についてお話させていただきました。
とはいえ記事中でも触れているように、出来たらいいなとは思うものの中々実現できないのが普通ですよね。
スキャン業界全体がある程度マンパワー的部分のある職業ですから、ここだけの話残業時間は伸びがちです。今みたいな繁忙期は特にすごいと思います。
じゃあそのままスキャンはどうなのかというと、感覚ですが他社さんに比べると圧倒的に働き方改革は進んでいるんじゃないかと考えています。
今回は弊社で実施している働き方改革(工夫)の一つをご紹介します。
定時に帰ろうプロジェクト
その名も定時に帰ろうプロジェクトです。
タイトル通りの内容なのですが、残業せずに定時に退社することを目的とした取り組みです。
具体的に何をするのかというと、正午と夕礼の際にその日の帰宅時間を宣言、夕礼では残っている仕事は何なのかも併せて発表してもらいます。これは社長からアルバイトまで全員参加です。
一見単純な取り組みですが効果はしっかり出ているんですよ。通常無計画に、あるいはなんとなくその日の仕事量を目測するだけでは定時退社出来ません。これは『仕事が残っているから仕方ない』『気持ちでは早く帰りたいけどどうせ無理だろうから』という、目標達成についての思考停止が起こってしまうためだと思っています。
一方当プロジェクトでは予め皆の前で宣言することになるため『どうすればその時間に帰れるのか逆算』あるいは『どの作業に何分かかるのか細分化/最適化』する必要が生じます(あるいは退勤時間が遅くなる場合『なぜ遅くなるのか』を説明する義務が発生します)。
こうすることで、通常『このお客様は●日までに電子化して納品』という漠然とした目標から『今日は〇様の書籍を▲時間で〇ページスキャンして、その後×時間で画像修正を□□ページまで進める』という所まで落とし込む事が出来、結果思考停止を予防して各業務の所要時間の把握と効率化が実現出来るのです。
また上は個々人の裁量に関わる効果でしたが、このプロジェクトはチームワークの面でも目に見える効果が出ています。
例えば
『今日は20時までスキャン掛かっちゃうかも…』
『私早く終わるから手伝えるよ!』
『えっ 助かる~!』
などと、正午の段階で遅くなることが分かっていれば業務の分散が可能となり定時退社が達成出来ます。
もしプロジェクトが無い場合、
『スキャンが終わらないんだけど手伝える?』
『えっ 今言われても困るよ!』
『だよね 今日も残業か…』
という事態に陥り毎日無計画故の長時間残業、それに伴う健康とモチベーションの低下が起こり得るのです。もちろん最終的に悪影響を被るのは他でもないお客様。
以前、とあるお客様より『あるスキャンサービスに依頼したところ納期を無断で延ばされた』と伺ったのですが、恐らく繁忙期中は何の対策もしなければどのスキャン業者もパンクする可能性があると思います。無論そのままスキャンも例外ではありません。
だからといって自分たちの都合で納期を延ばすのは言語道断ですが、それだけギリギリの人員で回している業者も確かに存在するのです。
最新のスキャナーを導入したり優秀なプロを集めるのも重要ですが、いかに『素早く』『質の良い電子書籍を作成して喜んでいただき』そして『早く帰るか?』という問いの追求もまたサービスのクオリティを高めるために必要なことだと考えています。
(中編に続く)