電子化で災害に備えるという選択
今月6日、台湾東部の花蓮県沖にてマグニチュード6.0の非常に大きな地震がありました。13日現在で亡くなった方は15名、未だ行方不明の方もいらっしゃるそうで何とか無事を祈りたいところです。
無事を祈りたいと言ったものの日本も決して対岸の火事ではなく、随分前から直下型地震の可能性が危惧されているのは周知の通りです。内閣府の首都直下地震対策検討ワーキンググループ 最終報告によると、首都直下地震が発生した場合約30万棟もの建物が全壊・焼失するとの見込み。うち半分以上は火災が原因になるであろうと推察されています。
日本は世界有数の地震大国だけあって建物の耐震基準も屈指のものがありますが、それでもこれだけの被害が生まれるとは恐ろしい話です。皆さん日頃の対策は万全でしょうか。
電子化は必須の時期に
さて、台湾の地震では建物の倒壊が大きな被害を引き起こしましたが、日本で地震が発生した際に大きな懸念点となるのが上記火災です。
1923年に発生した関東大震災は、発生時刻がお昼時だったこともあり実に犠牲者の9割が火災で亡くなっています。また阪神・淡路大震災は早朝でしたが、やはり相当数の火災が発生し犠牲者が出ました(発生時各地から火が上がっている空撮を見た方も多いと思います)。これは日本特有の木造建築物の多さも大きな原因の一つとされています。
いくら耐震基準が強固でも火が起きれば紙や木造の物は消失してしまいます。現在書籍や資料の電子化も随分進んできましたが、それでも一定数の『紙』はどの会社にも少なからずあるのではないでしょうか。それらが焼失してしまったら?燃えなくても、揺れで編纂した資料がバラバラになってしまったら?という心配、どこかで災害が起こる度に頭をよぎる方も少なくないと思います。
もちろん非常時一番に心配すべきなのは命で、ご自身の無事には何物も代えられないことは当然です。しかし日頃の備えとして防災袋を常備するように、貴重資料や重要書籍に万が一のことがあっても立て直せるようクラウドやデータ上でバックアップを取っておくことをお勧めします。
とは言っても時間が…という方もいらっしゃるかと思いますが、やはり内閣府の試算によれば30年以内に首都直下型地震が発生する確率は70%、南海トラフを震源とする東海地震に至っては88%と近い将来起きるのは確実視されており“なる早”な状況が続いていることは間違いありません。時間や方法が無い/分からなければスキャン代行に依頼する手もありますので、是非検討してみてください。
首都圏では100年前の関東大震災以来壊滅的な災害は発生しておらず、7年前の東日本大震災でも東京は数週間で普段通りの顔に戻りました。そのため日頃の備えと言っても中々危機感の沸かない方が多いかもしれません。
しかし、いざ天災が発生すれば当然書類や仕事どころではありません。だからこそ余裕のある今対策を講じる必要があるのではないかと思います。
実際、それが電子化のきっかけになり得るのか?
とはいえ一般的に、『災害対策で電子化しましょう!』と言っても社内での稟議には通りにくく、予算も下りないですよね。実際私たちもそういった背景でご依頼いただくことは殆どありません。もちろん全く意識していない訳ではなく、優先度が低くなってしまうのではと推察しています。
しかし実際に電子化したデータを活用しているお客様の中には、災害時のリスクを結果的に削減できたことに安心しておられる方も少なからずいらっしゃいます。例えば所有するマイクロフィルムを電子化させていただいた中小企業家同友会全国協議会様は、
マイクロフィルムに対しては、火事や地震といった管理に対するリスクも感じていました。デジタル化しておけば情報資料として管理が出来ますし、コピーも可能となる。そう考えるとこちらも早く電子化へ進んでおきたかったですね。
とインタビューで仰っており、当初はWebコンテンツ化して会員内での共有を図ることが目的だったそうですが、実際のところ災害対策の観点でもメリットを感じられているようです。
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