スキャン代行の前に!書籍の著作権ってどうなってるの?

2018.01.16

そのままスキャンへ電子化のご依頼をいただく方の多くは法人様や団体様、学校の方が中心ですが、時折個人のお客様よりお問い合わせいただく機会もあります。

もちろん法人名義でなくても電子化のお手伝いはさせていただきますが、実は個人のお客様の場合、ある事情からお引き受けしかねるケースが多々あるのです。

料金面など様々な理由が考えられますが、最も多いのが著作権の壁。実は、スキャン代行には全ての書籍を依頼できる訳ではありません。

スキャン代行と著作権

著作権の壁にぶつかる

個人で持っている学術書のコレクションを電子化したい、一冊しかない貴重書を非破壊でスキャンしたい、書籍内部のテキストデータを使いたいからテキスト化して欲しい、、等様々なご要望をいただきますが、
そのままスキャンでは共通してご依頼主様は著作権者なのか?を、お問合せの時点で必ず確認させていただいております。基本的には法人のお客様でも、スキャニングする対象書籍によってはまず伺います。

しかし原則として、どんな資料や書籍も著作権者(≒著者、出版社など)に無断で本を電子化することは著作権法で固く禁止されています。意外と知られていないことですが、これには公開や販売するつもりの無い私的利用も含まれています

例外もあり、例えば亡くなってから50年経過した著作権者の書籍は基本的に許可が必要ありません(著作権法51条2項)。ただ、この場合でも遺族や法人格が権利を継承している事があるため確実ではありません。

個人のお客様が、電子化した書籍を再び販売するということはあまり無いと思いますが、仮に頒布を目的としない電子化でも権利者への許可が無ければ違法となります。

著作権法はそのままスキャンに限らず、書籍電子化やテキスト化事業を運営している業者にとって鉄の掟です。先述の通り著作権侵害に当たる、又は侵害に当たるか分からないご依頼は、どんな事情があっても必ずお断りさせていただいています。

もしお手持ちの書籍について『電子化していいのかな?』と疑問に思った方は、

  • 書籍の著作権について書かれている欄を確認する
  • 出版社や著者のHPを見る
  • 出版社や著者に直接問合わせる(※あまりお勧めしません)

など、まずは権利の確認をしましょう。まれに著者によっては『権利の放棄』をしていることもあり、自由に複製や電子化して構わないとされている方もいらっしゃいます。しかし基本的には著者や法人に権利が帰属していますので、著作権者以外の方が無断で電子化することはほぼNGだとお考えください。

著作権の壁にぶつかる

以上、書籍電子化に当たって気を付けたい著作権について簡単にお話しました。スキャン技術が身近になり多くの方が気軽に自炊出来るようになった一方で、書籍を巡る著作権侵害や逮捕者のニュースも相次いでいます。スキャニングを代行する際は権利や法律に抵触しないかしっかり確認した、正しい形での電子化を実現しましょう。

※著作権の確認代行も行っております。ご興味のある法人様はお気軽にご相談ください。