【謹賀新年】2025年大阪・関西万博を機に歴史的起業家のビジネスマインドを学ぶこと〜大阪企業家ミュージアムで特別展開催中〜
明けましておめでとうございます。
2025年は大阪・関西万博の年であり、国立国会図書館デジタル資料長期保存基本計画の最終年でもあります。デジタルアーカイブ教育にとって、正念場を迎える年と言えるでしょう。
今回の記事は2025年最初の記事ということで、ごく簡単な構成となっております。具体的には、前半で大阪企業家ミュージアムで開催中の特別展のごく簡単な紹介とともに、後半ではデジタルアーカイブ化されている”歴史的起業家の伝記・自叙伝”の教育利活用に焦点を当て、その意義について簡単に触れたいと思います。
2025年も「デジタルアーカイブ教育」をよろしくお願い申し上げます。
目次
特別展のご紹介〜2025年3月8日まで開催中!大阪企業家ミュージアム特別展「行くぞ大阪・関西万博!懐かしの大阪万博、花博も見せます」〜
2024年12月3日から2025年3月8日までの期間で開催中の特別展「行くぞ大阪・関西万博!懐かしの大阪万博、花博も見せます」は、2025年4月から始まる大阪・関西万博を前に、出展する大阪の中小企業・スタートアップの様々な取り組みの紹介や、過去に大阪で開催された万博・花博などの記念展示を行っています。
通常、館内は撮影禁止ですが、今回の特別展エリアに限っては撮影OKでしたので、可能な範囲でごく簡単に紹介したいと思います。
そもそも大阪企業家ミュージアムとは?
「大阪企業家ミュージアム」は大阪商工会議所創立120周年を記念して開設されており、大阪市中央区本町の大阪産業創造館地下1階にあります。
入口部分の風景。
館内の撮影許可スペース。この先に、大阪・関西ゆかりの企業家たちの足跡を展示するコーナーが続きます。
外側からの風景でも、「企業家ライブラリー」コーナーに多くの社史や歴史的起業家の伝記が並んでいるのがわかりますね。
大阪企業家ミュージアム特別展紹介
今回の特別展エリアは、写真撮影可能とのこと。早速、中に入ってみます。
ここから先が撮影可能エリア
特別展内は、横に今回の2025年大阪・関西万博のパビリオンや中小企業・スタートアップの取り組みについて紹介するエリアがあり、奥の「DIGITAL ARCHIVES(デジタルアーカイブズ)」は過去の万博・花博等の展示エリアとなっています。
向かって左奥にもスペースがあり、1970年大阪万博当時の資料等が展示されています。
1970年大阪万博時ゆかりの資料展示スペース
2025年大阪・関西万博のパビリオンを紹介するスペース
撮影許可スペースが限られていたので、あまり多くのご紹介ができませんが、大阪・関西万博は中小企業・スタートアップ含めた新たな技術や取り組みのお披露目の場であることも再確認できました。
2025年の展望〜歴史的起業家の伝記データを、いわゆる「文系」人材のキャリア形成に活かそう〜
これまで著作権等の関係上、歴史的起業家の足跡を学ベる図書が広く公開されている例は多くありませんでした。
しかし2022年3月より国立国会図書館運営の「次世代デジタルライブラリー」が、全文検索の対象を著作権保護期間の満了した図書資料全件(約28万点)に拡大。
同範囲内の図書資料の全件テキストデータも、インターネット上で公開されることとなりました。
【歴史的起業家伝記のテキストデータ等公開例】
岡本敏行自叙伝
https://lab.ndl.go.jp/dl/book/1056781渋沢栄一自叙伝
https://lab.ndl.go.jp/dl/book/1056750岩崎弥太郎
https://lab.ndl.go.jp/dl/book/781074安田善次郎伝
https://lab.ndl.go.jp/dl/book/1020581
そして歴史的起業家の伝記(テキストデータ)と汎用的に使える技術(AI・機械学習)を組み合わせ、人文科学系人材の新たなキャリア教育のあり方を模索する動きも出てきています。
デジタル技術使い偉人の企画展示案発表 大学生らがアーカイブ学ぶインターンシップ(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20241003-6YHFMWNKOJI6TDELPWQVFQAYVA/
奈良大学生らが「デジタルアーカイブ」の可能性について学ぶインターンシップに参加した記事が産経新聞に掲載されました(奈良大学HP)
https://www.nara-u.ac.jp/news/563.html誠勝、人文科学系人材の強みを引き出す!無料AI分析講座の受講者募集を開始(ICT教育ニュース)
https://ict-enews.net/2024/12/18sei-syou/
特に2025年以降は、汎用的になったAI活用が文理問わず当たり前となり、覚える・記憶することに重点が置かれる「インプット力」よりも、数多ある情報を取捨選択して価値を創造する「アウトプット力」に重点が置かれることでしょう。
そしてこうした中、先人たちの「活きたバイブル」である歴史的起業家の伝記がデータ化されたことにより、最新の技術も活用してそのビジネスマインドを現代に応用(アウトプット)できる「可能性」が高まっています。
この貴重な産業・文化資源データのポテンシャルを「可能性」で終わらせることなく、企業教育・高等教育に積極的に利活用し、いわゆる「文系」と呼ばれている方の新たなキャリアを創出することが求められているのではないでしょうか。
大阪企業家ミュージアムの特別展への訪問は、「デジタルアーカイブ教育」の重要性を改めて実感した出来事となりました。
特別展「行くぞ大阪・関西万博!懐かしの大阪万博、花博も見せます」は3月8日まで開催中です。近畿圏内在住の方もそうでない方も、ぜひ一度立ち寄ってみてください。