北京市延慶区内の万里の長城179.2kmに「デジタルアーカイブ」を活用


人類史上最大の建造物と言われる世界遺産、万里の長城のデジタルアーカイブ化が進められています。
そのデジタルアーカイブを北京市延慶区では保護や管理等に利活用している事例の記事がありましたのでご紹介します。

北京市延慶区内の万里の長城179.2kmに「デジタルアーカイブ」を活用

北京市延慶区は、2023年9月11日に「新中国建国75周年を祝う」をテーマとした記者会見を行い、同区の高品質な発展についてのレポートを発表しました。特に延慶区は、万里の長城文化ベルトの建設において先駆的な役割を果たし、179.2キロメートルにわたる万里の長城を3Dモデリングし、デジタルアーカイブを整備することで、今後の保護や活用に向けた基盤を築いています。また、地域の文化・観光産業や低空経済の発展にも注力しています。

エコロジーの面では、延慶区は「中国天然酸素バー」としての評価を受けるほど、生態環境を第一に考えた取り組みを行ってきました。数十年にわたる緑化事業により、荒廃した山々の植林や風砂防止策が進み、緑豊かな環境が整備されています。また、小規模な都市公園やポケットパークが次々に完成し、住民は身近な場所で緑を楽しむことができる環境が整っています。

延慶区にある179.2キロメートルの万里の長城は、3Dモデルによってデジタルアーカイブが作成され、保護と活用の強化が進められています。八達嶺長城や石家関長城では、多くの清掃員や保護員が活動しており、観光客の保護やゴミの管理に従事しています。延慶区は、万里の長城文化の発展にも力を入れており、万里の長城文化祭りやコンサートなどを開催し、地域の文化的価値を高めています。

延慶区は、世界公園や冬季オリンピックの「遺産」を活用し、質の高いグリーン開発を推進しています。世界公園ではスポーツイベントや音楽祭が盛んに行われ、観光リゾートとしても発展しています。また、冬季オリンピック後も、スキーやスノーボードなどの国際イベントが開催され、四季を通じて観光が楽しめる地域づくりが進んでいます。

さらに、延慶区は低空経済の発展にも力を入れており、ドローン産業が急速に成長しています。100社以上のドローン企業が進出し、研究開発、生産、応用にわたる完全な産業チェーンを形成しています。無人航空機の試験区として、産業政策の導入や飛行サービスプラットフォームの構築が進められており、今後もドローン技術の応用がさまざまな分野で広がる見通しです。

延慶区では、ドローン関連の教育にも力を入れており、北方職業大学ドローン学院が設立されました。これにより、教育と産業が連携し、ドローン技術の革新と応用が一体となって発展しています。2025年までに、低空経済の規模は50億元に達する見込みであり、延慶区の持続可能な発展に寄与することが期待されています。

参考URL

延庆179.2公里长城拥有“数字档案”(乾隆.com, 2024/9/12)
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1809940107541135431&wfr=spider&for=pc