【倍率95倍】電子化代行が本気で求人募集したら100人近く集まった件
そのままスキャンには、現在20名近くの従業員が在籍しています。ベンチャーらしく新卒採用はしていないんですが、時々募集を掛けて1人ずつこっそり採用してきました…これまでは。
デジタルアーカイブはただでさえニッチな業界、CMやタイアップもしていないので、募集サイトで掲載しても火がつくことはありませんでした。しかし9月に実施した『スキャニング担当 1名』のアルバイト募集で、何と95人もの応募が!
目次
スキャニング担当の募集内容
今回の募集の概要は次の通り。
- 募集媒体:某アルバイト募集サイト
- 募集期間:2018年9月6日~9月19日
- 職種:スキャニング担当(アルバイト)
- 採用フロー:書類審査→社長面接
よくあるベンチャー企業のスピードを重視した募集方法ですね。なおスキャニングの経験は問わず、電子化業界完全未経験の方でも応募できます(未経験者がほとんどだと思いますが笑)。
因みに募集サイト名が伏せられてるので『ここで高額プランを使ったんじゃないの?』『めちゃめちゃ集まりやすい条件にしたなんじゃないの?』『数か月スパンで募集したんじゃ』と思ったかもしれませんが、以前全く同じ条件・プランで募集をかけた際は、今回の1/4程度の応募数だったんですよね。それでも20名は集まっていたので、先ほどの担当者さん曰く『実際には1ケタの応募数の方がずっと多い』中で元々集まっていた方なんですが、それにしても今回は異常値。いずれにしろ、今回サイトは関係ありませんでした(募集サイトの担当者の方も仰ってました)。
なお、募集ページは文章から写真まで前回掲載のものの流用です。ますます分かりませんね。
ただ、今回は一つだけ違う事をしています。
そのままスキャンが準備したこと
募集サイトではなくそのままスキャンHPの採用ぺージを大幅に拡充しました。唯一前回の募集と違う点です。
デジタルアーカイブとか電子化代行は『どんな人がどんな仕事をしているのか?』が、他の業界に比べるとかなり不透明だと思います。この課題を解消することも当ブログの目的なのですが、今回の採用ページリニューアルも同じ視点でコンテンツを爆増させてみました。
①社長の顔とメッセージをトップに
まず、採用トップに社長の顔写真と野心溢れるメッセージを掲載し、直筆の署名も併せて掲げてみました。実は誠勝の由来は『誠勝丸』という漁船から来ているんですよ。いわゆる社長の挨拶って、しっかりとした写真屋さんのスタジオで威厳を持った雰囲気を醸した近影が多いところ、ここでは会社の外で撮影しスタッフがPhotoshopで加工するという手作り感溢れる画像を使用しています。
②社員近影&インタビューを掲載
今回募集したスキャニング担当はもちろん、何故か営業・営業事務・フロントエンジニア・アシスタントディレクター・企画開発を加えた全6職種の社員にそれぞれインタビューを実施し、写真と合わせて掲載。聞き手は私で、皆の忙しい時間を何とか盗んで短い時間話を聞きました。
よくある社員インタビューが面接みたいな質問を中心にしているような気がしたため、ここでは仕事よりその人の姿勢・人となりが出るような、ちょっと生々しい内容で統一しました。例えば営業なのに
僕って元々フロントマンというタイプではないんですよ(笑)
と言っていたり、アシスタントディレクターの入社理由が半分ノリに近いものだったりするなど、恐らく通常なら表に出さないような発言も意図的に書いています。
私も就職活動や転職活動を経験、逆に採用側に回ったこともあるから分かるんですが、あぁいうインタビューって応募者が引くようなことをわざわざ書くことはしないんですよね。聞こえの良い、社風や業務内容がポジティブに伝わる書き方ばかりの気がするんですが、これってよく考えてみると非常に気持ちが悪い。早い話テンプレートのような表現、言い回し、感想が各採用ページに溢れているような気がして、個人的にインタビュイーに人間味が感じられないのが気に入りませんでした。
それよりは、まるで業務の合間に従業員同士で交わされるような生々しく身近な事を、特に編集せず、そのまま載せた方が私たちの会社を分かっていただけるのではないかと思い、今回のような書き方にした次第です。
なおインタビューという体は取っていますが、生々しさを出す為実際は『ちょっと話聞きたいから席行ってもいい?』程度の気軽なものでした。人数が少ないので初めて話す者もおらず、いつも空き時間に話す体でマイペースにしゃべってもらっています。結果的に、それが良かったのかも知れません。
③応募フォームをシンプルに
今回の募集では、募集サイトで弊社へ応募していただいた方に自動返信メールを送り、その後今回作成した弊社HPの採用ページから正式エントリーしていただくという形を取りました。
正式エントリーでは所謂エントリーフォームを用意したんですが、一般的なものより短くしています。項目は次の通り。
- お名前
- メールアドレス
- 最終学歴と学校名
- Photoshop使用経験(任意)
- 一人とチームではどちらが好きか(任意)
- 働くとき重視すること(任意)
そして、志望動機です。
エントリーフォームによっては、年齢やより細かい学歴、資格、前職など詳しく書かせるタイプもありますし、その方が良い効果の出る場合もあるかと思います。しかし今回そのままスキャンでは必要最低限の項目のみ入れ、また3以下は学校名と志望動機以外選択肢をこちらで用意し、入力の手間を省けるよう配慮しました。
④その他、Webサイトを見てもらうよう工夫
当ブログのURLを貼ったり、上記6名のインタビューも検索で見つけられるようインデックス化(SEO的にも配慮しています)。当然スマートフォンでの閲覧が多いと予想し(実際には半々でしたが)、モバイル対応も完璧です。志望の気持ちがあれば当然受検企業のHPくらいチェックしてくれると思いますが、その導線や入り口に接しやすいような設計を心掛けました。
ちなみに、倍率95倍ですが
そんなこんなで当初『スキャニング担当 1名』の募集だった今回、蓋を開けてみれば定員の95倍の人数が来るという狂喜寸前の結果に落ち着いた訳ですが、もちろん時期的な問題や運も大きかったと思います。また、応募してくれた方全員がインタビューページを見てくれた訳ではありません。
それでもアクセス解析をしてみると、応募した4割以上の方がリピーターのユーザーであり、最初の訪問でインタビューページを見てくれている方が結構いらっしゃいました。有難いことに今回の募集以外の職種インタビューも閲覧があり、一定の効果が出たような気もします。
ところで倍率95倍ですが、近いところを探してみたところ先月行われた安室奈美恵さんのラストライブチケットが78倍とのことでした。なんと安室ちゃん越えです。なお想定外の応募数にはなりましたが、採用は予定通り1名のみ。連日面接を実施し厳正に選考させていただきました。ちなみに本人はこの事実を知りません笑
誠勝は“若い会社”です
スキャニングという作業に対して単純さや自動化出来るものというイメージを持っている方は少なくないと思います。事実ADFやOCR処理後のテキスト校正作業などは、美大やクリエイティブ系の知識が無くても『マニュアル化』することで効率よくシンプルなものに落とし込むことが出来ます。
しかし、スキャニングの技術は年々向上しており、新しい機種も次々と誕生しています。テキスト化についても先日one driveが話題になったように一般層にまで身近で手軽な存在になってきました。またデジタルアーカイブを構成するクラウドシステムや、テキストマイニング、RPA、ビッグデータ時代を見据えた著作権法の改正など、電子化を取り巻く状況は目まぐるしく変化しています。そういう時代では無いでしょうか。
それだけ激しく動いているにも関わらず、単なる『スキャニングの代行サービス』を、10年以上全く形を変えずに継続していくことは不可能だと考えます。しかしそうした業者が多いのも現実で、現に面接した方は同業他社のホームページと弊社の違いにビックリした方もいたそうですね。
そのため今回公開した採用ページでは、いかに私たちが新しいことを取り入れてようと努めているか、いかに若いメンバーの若い感性で刻々と変化している電子化に対応しているかを伝えたつもりです。イメージがつかず、ひょっとしたら古い体質の会社なんじゃないかと『誤解』されないよう考え抜いたことが良かったのかも知れません。応募いただいた95名の方には、この点を評価していただいたんじゃないかなというのが所感です。
まとめると、採用ページの『コーポレートイメージ』『わかりやすさ、入り口の低さ』そして『職場の生々しさ』が決め手になったのではないかと個人的には考えています。特に生々しさは勉強になりました…元々隠し事や演技をするのは苦手なのでどんどんグロテスクに行こうと思います!